基盤課題
極限レーザーと先端放射光技術の融合による軟X線物性科学の創成
軟X線は物質の電子状態を研究するのに最も重要な光であり、これまで放射光が広く用いられている。一方、近年のレーザー技術の革新により、極端紫外から軟X線にわたる短波長光の発生が実現し、放射光を相補的な光源として期待されている。
本研究では、レーザー短波長光源を高度化し、物性応用に十分な性能を実現することを試みる。また、放射光施設SPring-8の最先端ビームラインであるBL07LSUとBL25SUにおいて軟X線分光技術をさらに高度化する。最先端の軟X線光源であるレーザーと放射光が連携することによって、光電子分光、顕微分光、発光分光を主要な柱とする、軟X線計測プラットフォームを創成する。
この研究開発により、光電子分光や発光分光などの超高分解能分光や、ピコ秒、フェムト秒からアト秒までの広い範囲の時間分解分光法の実現が期待できる。それにより、電子状態の超精密測定や、励起状態の動的過程を直接観測し、理解することが可能となり、グリーンイノベーションにつながる物質の開発に貢献する。
これら一連の基盤研究開発は、軟X線領域の物性科学の創成を目指して、レーザーと放射光分野の第一線の研究者らの密接な連携によって実施される。
課題Webサイト:
http://shin.issp.u-tokyo.ac.jp/hikariryoushi/